小林浩の研究紹介

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私の研究

惑星形成理論概要
惑星形成 図1:クリックで拡大

「惑星系がどのように形成されたか」についてを研究している。 惑星は、原始惑星系円盤の中の0.1μmほどの固体微粒子が集まって形成される。 地球の大きさは12,000 kmにもなる。 そのため、固体微粒子から惑星へ14桁以上の大きくなることになる。 つまり、集まっている微粒子は1042個という膨大な数量になる。 このような成長はどのようにして起こったのだろうか。その謎に迫る研究を行っている。
惑星形成標準モデルでは 図1に示されるように、以下の過程による惑星形成が考えられている。
  1. 星形成の副産物として、星の周りに1%程度の質量の原始惑星系円盤が生まれる。
  2. ガスに比べさらに1%程度の総質量の固体微粒子(0.1ミクロン程度の大きさ)が集まり、1kmから100km程度の大きさの微惑星を作る。
  3. 微惑星同士が重力で引き合い、衝突・合体をくりかえし、1000km程度の大きさの原始惑星を作る。
  4. 原始惑星の大きさが地球の10倍以上の質量に達すると重力が大きくなり、周りのガスを集め、木星・土星の様な巨大ガス惑星になる。
  5. 円盤ガスが晴れる。現在の太陽系のような惑星系が形成される。

これまでに、数千個にもおよぶ太陽系外惑星が発見されている。 そし、惑星系の母胎である原始惑星系円盤の詳細構造もALMA望遠鏡の観測により明らかになってきた。 さらに、惑星が形成された惑星系では、微惑星の衝突・破壊によって作られる 淡いダスト円盤も数多く発見されている。標準モデルはシンプルでわかりやすいが、これらの観測をすっきりとは説明できない。

そのため、私は新たな惑星形成理論の構築を目指し研究を行っている。

惑星形成における衝突・破壊の重要性 [参考資料]
太陽系の惑星,また近年多数発見されている系外惑星は,どのようにして形成 されたのであろうか. これらの惑星達は,微惑星と呼ばれる惑星のもととな る小天体が衝突・合体により原始惑星を形成し,原始 惑星同士の衝突をへて地 球型惑星が形成される.一方,非常に大きくなった原始惑星が固体核となり膨 大な 量の大気を集積し,木星型惑星が完成する.大きな原始惑星ができる過程 では,天体の衝突は合体・成長を もたらすだけでなく,破壊もおこす.破壊に より生成される小さな破片はガス抵抗により原始惑星との相対 速度が小さくな るため,原始惑星と衝突しやすくなり,成長を促す.その一方でガス抵抗によ りこの破片は 角運動量が奪われ,中心星に落下し消失してしまう.この諸刃の 剣を両方矛盾無く取り入れると,原始惑星 が成長できる大きさには上限が存在 し,衝突・破壊が原始惑星の最終質量をきめる.太陽系のような木星や 土星を つくる固体核を生成するには,成長時間が十分短く,壊れにくい微惑星が必要 となる.現在の太陽系 の固体成分よりも10倍重い原始惑星円盤の中で比較的 大きい100km大の微惑星ならば,木星や土星は形成可能となる.
惑星形成とデブリ円盤とカイパーベルト
惑星系は星形成の副産物として形成された星周円盤の中で形成されたと考えられている。この円盤は原始惑星系円盤と呼ばれ、ほとんどの成分がガスでその中で少量の固体が集まって作られるのが惑星である。現在の太陽系ではこのような大量のガス円盤は存在しておらず、固体微粒子も原始惑星系円盤に比べると少量である。太陽系以外でも、このようなガスがほとんどなく、非常に少ない固体微粒子が観測されており、デブリ円盤と呼ばれ様々な波長で観測されている(デブリ円盤ギャラリー)。この円盤は太陽系との関係が議論され、特に太陽系の外縁にあるカイパーベルト天体と比較される。(詳細ページ)
惑星定義: 太陽系外縁天体(カイパーベルト)の起源と進化 [参考資料]
2006年8月にプラハで開かれた国際天文学連合において惑星定義がなされた.冥王星は惑星ではなく, それまでやと呼ばれていたが日本でも正式に太陽系外縁天体と命名された天体群の一員となった.この分類は太陽系外縁部の我々の理解が深まってきたことによりこのような詳細な分別が可能になった.太陽系外縁天体はカイパー帯と呼ばれる太陽から40-50天文単位離れたところで数多く発見されており、比較的大きい天体も存在し惑星定義において非常に重要な天体である冥王星もこの一員である.これらの天体の力学的特徴から太陽系の歴史が明らかになりつつあり、これらの外縁天体は惑星とは違う歴史を歩んできたであろうことを示唆している.(詳しくは上の参考資料をみてください) .